リシャール・ラリランダンからディアーヌ・ド・モラレスへ
数日前、ミサ曲の打ち合わせの為、リール女子修道院に行ってまいりました。
ところがディアーヌ、そこに同席していたペトロニーユと言う修道女は、ぴったりとしたリネンの制帽で常に私から顔を隠すようにしていましたが、恐らく今、パリで行方が知れずとなっている、君も大変心配していた、ジャンヌ・ド・ブランシュ夫人にそっくりなのです。
背が高く、化粧をしていないが為に、大理石のような白い肌がより一層際立ち、またあの独特な青い色の目は、この鈍感な私をしてブランシュ夫人に間違いなしと言わせるに十分足りているのです。
ディアーヌ、君を恨み、君を社交界から追い出そうと企んだジャンヌは、自身の心も深く苦しめていたのでしょうね。
しかしながらそんなジャンヌは、複雑なスコアを一瞬にして、縦の線で読み取る事が出来る、類い無い音楽家ですよ。
18++年
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パリ