ポドゥアン先生から文をいただき、クレマティスがトゥーレーヌの邸に眠ったまま戻ってきている旨を、今日知ることができました。眠ったままと言うのは、命を落としている事の含みでは無く、ポドゥアン先生の文によれば、二ヶ月間以上にもおよんで、すやすやと眠っているのみなのだそうです。
ギニョールの如くまことに奇異な話ではありますが、本当のところなのでございます。
ともかくも、私はトゥーレーヌに逸早く向かいたいと、自身の心が私をせき立てている次第です。
ところで、カトリーヌの馬車を使わせていただく事は、少々理由あって今は差し控えた方が良しと言う思いに至り、そこでラリランダン、これはあまりに唐突な上に、失敬きわまりない願いであることを重々承知の上での事となりますが、貴方のお持ちの頗る速度は出るが危険を伴う、あの二輪馬車で、どうかこの私をトゥーレーヌのポドゥアン邸まで送って下さらぬか。
18++年
+月+日
アルフレッド・デルヴォーからリシャール・ラリランダンへ
パリ