サビオ博士の叫ぶようなその声に、寸でのところで王女の顔は隠されたのでした。
サビオ博士「イラザーデ姫!伝説の美女イラザーデ!あなたのその恐るべき美しさに、数えきれないほどの男たちは狂気に駆られ殺しあった。
あなたの父上である王までもが、自身のおぞましい感情を恥じて、城の地下最も奥深い一室にあなたを閉じ込めるや城を閉ざし、王はひとり離宮に移り住んだ。
そうして王は生涯を、懺悔と共に生きたと言われている。
千年以上も前の話でございます。
イラザーデ王女。あなたは神からさずかった、幸とも不幸とも言えるその美しさゆえに、死ぬることができないのです!」
(つづく)