王子はお店を出てゆきました。と同時に不穏な空気も去っていったのでした。
お店の中には、いつものゆったりとした平和な時間の流れが戻ってまいりました。
ピエルロじいさん「ピオヴァーノ殿、やれやれでしたな。案ずるなかれ、王妃はナンテールの城に居ると分かりました。
わしとリッカルドで人形劇団の皆をここに連れてまいるので安心してください。」
ピオヴァーノ「ピエルロ殿、私の跡取り息子のジャックは操り人形使いでもありますゆえ、劇団のその後の事は我々にお任せください。」
ピエルロじいさん「それを聞いたらアレッキーノも安心しますな。」
そこに、工房の方から叫ぶようなリッカルドの声がしました。
リッカルド「ピオヴァーノさん! ピエルロじいさん! 見て下さい!
袋から出したら、アレッキーノとナンネルが手をつないでいるっ!」
(つづく)