ディアーヌ･ド･モラレスからカトリーヌ･ド･レシァル公爵夫人へ
あの日、血まみれのジャンヌ様がカスタルディ院長様の腕の中に意識を無くされる直前の事、リシャールはジャンヌ様の手から剣を外す為に屈んでおりました。私はジャンヌ様の背中の方からその右腕を支えていたのでございます。
剣が地面に落ちるや、ジャンヌ様はその時、消え入る様なお声で｢スヴェトラーナ･･･｣と、院長様のお名前をお呼びになり、そしてその腕の中に失神なされていったのでございます。
俗な推量ではございますがジャンヌ様は現在、此処リール女子修道院にて、愛する人と幸福の内に過ごされていると思うのでございます。
18++年
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リール