パンタレオーネ氏「エホン。我々はカタルーニャの祭りという祭りで、どこの劇団よりも多くの芝居をしてまいりました。
ロザウラ、さあ、あの時の踊りを踊って見せておくれ。」
ロザウラ「忘れてしまったわ・・・随分前のことだから・・・。」
パンタレオーネ氏「それならば、ドンナ・ラウラよ、その美しき声で観客全員の涙をさそった、お得意のアリアを歌っておくれ。」
ドンナ・ラウラ「今朝から頭痛がひどいのです・・・。」
そこで、めったに口を開かない、娘役のコロンビーネが言いました。
コロンビーネ「私、アレッキーノを捜しにまいります!サビオ博士、私どうしたら良いのでしょう。」
サビオ博士「ああ、なんと心優しいコロンビーネ。しかしながらあなたが旅立っても、アレッキーノと出会う確率は残念ではありますがゼロに等しいのです。けれどもコロンビーネ、あなたの愛の心はアレッキーノに届いておりますよ。」
(つづく)