その伝説の王女イラザーデのお顔はと言えば、ぽっちゃりとして、まあそこそこの器量良し、いわば朝市などにおられる愛想の良いチーズ売りさながらの女性という様子なのでした。
パンタレオーネ氏「エホン。皆々様、ご存知のように我々はフィレンツェのとある人形師によって端正込めて造られております。皆それぞれに年代は違えども同じ職人の手によって、この世に生をいただいておる訳であります。
時に、私と王女は同時期に同じ木材から造られたがゆえに、私は彼女のことを、よ~く知っておるのです。
その事件は、人形師が王女の眉を書いている時に起こったのです。」
(つづく)