一方、ピエルロじいさんはリッカルドを心配して、石垣の村から公園に向かって坂道を登っておりました。
と言いますのも、漁師仲間のひとりがこんなことを言ったのです。
漁師「パン屋の向かいっ側にあった小さな人形屋”ボッテガ・バンボーラ”は、とっくにつぶれちまいましたよ。」
道を上り切りますと広場があって、10時方向に噴水があるはずです。
ところが広場に近づくにつれ、ピエルロじいさんはその異変に気づきはじめました。どうにかこうにか広場までたどり着きますと、何百何千の老若男女が一心不乱に踊っている光景が、ピエルロじいさんの目に映ったのでした。踊っていない人々は抱き合い、愛し合っていたのです。
ピエルロじいさん「今日は何の祭だったかのう?降誕祭ならもちっと静かにやらにゃあいかんな~。」
(つづく)