カモメ「やあ、アレッキーノ。ここで少し休ませておくれね。
どこにお出かけだい?」
アレッキーノ「ヴェッキオ橋だよ。ナンネルを探しにゆくんだ。」
カモメ「人間は陸や海の上にへばり付いて、ぐずぐずのろのろ移動するけど、我々からしてみたら、止まっているようにしか見えないねっ!」
アレッキーノ「速度はそれぞれの動物の尺度によるよ。こつこつ行く良さもあるのさ。」
カモメ「はぁ~っ!のんびりしてたら餌にありつけないし、人生なんてすぐに終わっちゃうよ。」
アレッキーノ「人生は長短じゃない。餌も大切だけど、目先の事を満たしたり、手にする事ではないと思う。
君と僕はひょんなことで出会った、君がいなかったら僕はリッカルドやナンネルと出会えなかったんだよ。
君にはとっても感謝しているんだ。
出会った人や物をどれだけ大切に育んで生きてゆくか。
ねえ君!人生ってそこにあると思わないかい!」
カモメ「お利口さんなこった。」
カモメは行ってしまいました。
(つづく)