ピエルロじいさん「どこぞの漁師か分かるかい?」
市長「ナポリでございましょう?召し使い殿のお話のなされ方は、LもRも一緒くたでございます。まさにナポリ人そのものでございます。よ~く勉強なされましたなぁ~!」
ピエルロじいさん「勉強などしておらん!
面倒臭くなってきた。出発の時間も近い。リッカルド、馬車に戻るぞ。」
リッカルド「市長さん、先を急いでおりますので、これにてフィレンツェに向かわせていただきます。
さようなら市長さん。」
市長「フィレンツェ!フィレンツェ!フィレンツェ!
サン・ジミニャーノなぞは、つまりは通りすぎるだけの街でございますか・・・。
ぐあぁぁぁぁ・・・・。」
ピエルロじいさん「大の男が泣くではない!本物の王子ならば喜んで晩餐の席に座るであろうよ。」
フィレンツェに向かって土煙をあげながら出発していった辻馬車を、小走りにて追いかけながら市長は叫んだのでありました。
市長「クラウディオ王子~っ!並びに召し使い殿の御多幸を心よりお祈り申し上げております!
私、フルヴィオ・ベッティーニをどうかお忘れなきよう~っ!」
(つづく)