その頃、イザベル王妃のお部屋の奥の奥、そのもっと奥のお部屋の壁に掛かっている、アレクサンドル人形劇団の操り人形達は、暗く沈んでおりました。
と言いますのも、イザベル王妃は、いっこうに上達しない御自身のハープの演奏を、有ろう事か教師の責任と考え、ドクトンヴィル婦人を解雇してしまったのです。
晴れた日にやって来て、人形達を窓辺に掛けてくれる優しい音楽教師はもういません。
パンタレオーネ氏｢エホン。皆様！近い内にドクトンヴィル婦人は戻ってまいりますよ。
なぜならば、どのような教師が付こうが、イザベル王妃のハープの上達は見込まれませんのですから。
さあ、そんな事よりも、アレッキーノの無事を、今日も皆で祈りましょう！｣
（つづく）