お尻の半分しか乗らない、小さな椅子に座ったリッカルドがアレッキーノに言いました。
リッカルド「君の故郷フィレンツェは思いのほか遠いところにあるらしい。
ひとまず家に帰って、父やピエルロじいさんに相談しようと思う。」
人形屋「そうなさい。全てが良い方向に向かうことを祈っておりますよ。
今日はよくおいで下さった、君達との出会いに感謝いたします。
時に、アレッキーノ君。お帰りのさいには、このナンネルを一緒に連れて行って下さらんか?
ナンネルも自分の生まれ故郷を見てみたいと申しておるのです。」
アレッキーノ「ほっ!本当っ!ありがとう人形屋さん!」
人形屋「ナンネル、いつの日かアレクサンドル人形劇団で、君が演奏している姿を見たいものです。」
(つづく)