ポドゥアン先生、その時カンポ広場で少女がことさら声を低くして歌っていた、ナポリ民謡の様な歌が、私の頭から離れないのです。
それは、このような歌詩なのでございます。
おいら絵かきだぞう
風景を切り取っちゃうんだぞう
だけど絵の具ってやつはいつもわがまま
なかなか言うこと聞かないぞう
骨は折れるが仕方ない
それがおいらの運命ってもんさ
クレマティス
君はおいらといた頃あんまり食べない娘だった
パンと果物をちょっとくらい
あとはもうずっと抱き合っていた
ベッドの上の君ときたら
まあ良く歌うし泣いたもんだ
おいらのせいでね
クレマティス
好きだったんだ君のこと
(つづく)