ジョゼッペ・ロッコ氏の工房を後にした私は、クレマティスを探す旅を自身の任と悟り、その小さな橋の上からクレモナの空を確と見上げたのでございます。
すると夕映えは、私の決意の程を受け取ったが如く、いよいよ真っ赤に燃えていったのでございます。
然るに先ずは、レシャル公爵夫人に今の私の心の内を余す所なく述べるが先決である故、兎にも角にも一時、パリに戻った次第にございます。
長い文になりました事をどうかお許し下さい。
ポドゥアン先生、それ故に何卒、クレマティスの消息、並びに安否なぞ、どのような小さな手掛かりであろうとも、この私にお与え下さいます事を、此処に切に願う者でございます。
18++年
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パリ