次の日の朝早く、リッカルドの家にピエルロじいさんが訪れました。
ピエルロじいさん「怪物の胃袋の中に、人形が暮らしておった。さあ、これはお前のものだよ。」
リッカルド「うわーっ!かわいいなぁ!とっても精巧にこしらえてあるっ!ピエルロじいさん、ありがとうっ!」
ピエルロじいさん「身体に何本か糸がついているから操り人形だろう。その靴の裏を見てごらん、わしゃ見えないから読んでおくれ。」
リッカルド「アレッキーノって書いてあるよ。
やあ!こんにちはアレッキーノ!」
アレッキーノ「僕、眠ってたのかなぁ・・・。
だって、ずっと夜だったんだもの。」
ご存知のように、人形の声は人形師と赤子の心にしか聞こえません。
びっくりしたリッカルドの表情を見るに、その時リッカルドの心にはアレッキーノの言葉が聞こえたのに違いありませんでした。
(つづく)