山梨鐐平

シンガーソングライター

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1/13/2022

リッカルド「演奏のお邪魔をしてしまいました。ドクトンヴィル夫人ですね。アレッキーノからお話は伺っております。」

そう言うと、リッカルドは袋を少し前に差し出して、ドクトンヴィル夫人にアレッキーノを見せました。
ドクトンヴィル夫人はこれが夢でも幻でもないことを知ると、長椅子から立ち上がり、その場で膝を折ってリッカルドに挨拶をいたしました。

ドクトンヴィル夫人「お察しの通りでございます。クラウディオ王子。
私は王妃の音楽教師をさせていただいております、マリー・ド・ドクトンヴィルと申す者でございます。時にこのお部屋にはお庭に通ずる扉が無いのでございます。故に窓越しでのご挨拶をお許し下さいませ。」

リッカルドは一歩前に出て言いました。

リッカルド「人形達に愛をもって接して下さった貴方の心に、私は深く感謝しています。」

不思議なことにリッカルドは、自然と信の王子になっていたのでした。

(つづく)